病院歯科介護研究会
The Workshop on Oral Health Care of the Inpatient

開催趣意

 
 

出でよ!地域で多職種と連携できるリーダーよ!

 

−サーバントリーダーシップを学び,食支援を通じた地域における多職種連携のあるべき姿を考えよう−

 
 

病院歯科介護研究会 第24回総会・学術講演会
大会長 園井 教裕
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科附属医療教育センター

 厚生労働省は、急激な高齢化による医療介護需要の増加から、2025年をめどに地域包括ケアシステムの構築を進めている。このようなことから,医療機関を中心に行われてきた多職種連携が地域に広がり,医療や介護,生活支援に携わる多職種が参画する様々な取り組みが行われてきている。
 一方で,地域包括ケアシステムの構築には地域格差が生じているとされている。その原因は様々な理由が言及されている。その理由としては,1)地域で多職種連携を推進できるリーダーの有無,2)各地域における多職種間での相互理解の格差という2点が地域格差を生み出す大きな理由になっているのではないかと考えた。
 さらに,新型コロナウイルス感染拡大が,多職種間の交流を困難なものにし,地域包括ケアシステムの構築にもブレーキをかけている。
 こういった問題に対し,近年「サーバントリーダーシップ」が注目されている。これは,リーダーがメンバーに奉仕し,メンバーとの間で協力関係を構築した上で,導くというものである。その結果,メンバーは自ら行動するようになり,その積み重ねでチーム全体の成長を促すことが可能となるというものである。これは,従来のリーダーがメンバーに一方的に指示するリーダーシップとは異にするものである。サーバントリーダーシップは人材育成という観点から学べる機会が増えており,ご紹介したい。
 また,地域で多職種連携を促進させる際,強力なリーダーがいると基盤整備が進むことは相違ない。しかし,1人のリーダーに依存する体制にしてしまうと,そのリーダーが退任した途端に今までの基盤が崩壊するというリスクを抱えることになる。
 それに対し,1人の強力な個性に必ずしも依存しないとされるサーバントリーダーが地域で養成されることは,地域での多職種との取り組みが持続的なものになる。地域で多職種とともに歩み,成果を挙げている事例について紹介させて頂く予定である。
 地域における多職種との連携は数多くのテーマがある。本学術講演会では現在話題となっているサルコペニアやフレイル対策と関わりが深く,多くの地域で多職種が関わる食支援をテーマとし,教育講演やシンポジウムを設けた。
 多職種との相互理解については,多職種で活発な連携ができている地域をおいても,過去に多くの課題をクリアしながら構築してきている。構築のプロセスを参加者の皆様と情報共有することは,各地域で模索が続けられている多職種との連携で参考になることは間違いないと考える。
 地域包括ケアシステムの基盤構築に向けて,地域住民のために,関わる人々たちがどのようにリーダーとなる人材を生み出していくか,そして,スタッフ側の心構えはどうあるべきか,参加者の皆様と学ぶ時間にしたいと考える。


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